DISCOVER the
STRAWBERRY FARMERS

日本の津々浦々で愛情たっぷり育まれた、苺たちの知られざるお話をお届けします。

Tabloid
#01

長野県諏訪郡富士見町 サマープリンセス

八ヶ岳富士見高原菜園 いちえや  中山陽介さん
八ヶ岳富士見高原菜園 いちえや 中山陽介さん
長野県下諏訪町出身の32歳。いちえやの名は、一瞬一瞬を大切に、最高のおもてなしをしたいという「一期一会」の想いから命名。苺のために農園は湧水がある場所にこだわり、湧水から最も近いところに開いている。

毎日の変化を見つめ
美味しい苺へと導く日々

日本各地の苺農園を訪れ、土地の匂いや風を感じ、育てている方と直接お目にかかることで選び抜いた苺が京都のメゾン・ド・フルージュの店頭に並んでいます。その農家さんとの苺のお話を皆さんにもお伝えしたく、この新聞をつくりました。
 第一回目の舞台となる「八ヶ岳富士見高原菜園 いちえや」は、いわゆる脱サラをしてゼロから苺農家となった中山陽介さんが所有する農園です。

夏から秋にだけ会える
期間限定の苺

夏から秋にかけて収穫できる「夏秋苺」を育てるものに選んだのはなぜですか?

八ヶ岳の南麓、標高1030m付近に広がる農園は標高が高く、寒暖差が大きい地域。中山さんはその気候をいかし、夏から秋にかけて収穫できるサマープリンセスとすずあかねを育てています。「町内で1軒だけ夏苺を育てている農家の方と話すなかで、寒い地域の特色を出せるものを作りたかった。そして、『日本全国で農家が少ないし、生産方法や品種自体も安定していないので難しいよ』と聞き、逆に面白いなと思ったんです」

たくさんある夏秋苺のなかからサマープリンセスを選んだのはどうして?

「サマープリンセスは長野県の農業試験場で生まれた苗で、長野県下でしか作付できない特異性があります。長野県民だったら作っておけるようになりたい。あまり大きくならず、味・甘み・旨みが出やすい品種です。実がやわらかいので、トップに載せるよりは、サンドしてそのやわらかさを特徴としてもらうのもいいと思います」

八ヶ岳富士見高原菜園 いちえや  中山陽介さん

サラリーマンをやめて農家になることはずっと考えていたのですか?

観葉植物レンタルの会社に入社したのですが、働いてみてどんな仕事でも大変だと気づいて。故郷に戻ることについて父に『仕事があればなんでもいいかな』と言ってしまったのですが、せっかく大学を出たのにと言われた。そこで大学で学んだ農業にしようと思いなおし、そこからはわき目をふらずに農業に向き合っています」

毎日の変化を見つめ
美味しい苺へと導く日々

農家になったいま、次に叶えたい夢はありますか?

「いまはサマープリンセスをもっと美味しくつくれるようになりたい。とにかく苺の変化を見つめ続けていると、工夫した結果が1週間後ぐらいに出てきます。やはりうれしいのが、きれいで美味しい苺ができた瞬間。そして、それを食べたお客さんが使われた苺が美味しいっていってくれること、シンプルにそれが一番うれしい。いつか自分のブランドが作れたらとも思っています」

サマープリンセス
サマープリンセス
長野県南信農業試験場で通年で栽培・収穫できる四季成りの「夏芳」と1シーズンのみだが一季成りで大きな実がなる「麗紅」を交配し、選抜した系統に果形が良い「女峰」をさらに交配。完熟の状態でも実の中が白いままの品種。2003年3月26日品種登録。長野県のオリジナル品種で、県内でのみ栽培。収穫は夏から秋で、生産者は50人程度。
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