DISCOVER the
STRAWBERRY FARMERS

日本の津々浦々で愛情たっぷり育まれた、苺たちの知られざるお話をお届けします。

Tabloid
#03

#徳島県吉野川市 女峰

えいじくんのイチゴ園 蔵本英治さん
えいじくんのイチゴ園
蔵本英治さん
徳島県吉野川市出身。大学卒業後、岡山の苺農家での研修を経て、地元徳島で新規就農し、2012年に苺農園を開園。栽培品種は女峰の一種。

一粒で人を笑顔に
できる苺を

全国の苺農園へ出向き、味を追求した苺農家さんによるこだわりの苺をメゾン・ド・フルージュでは使わせていただいています。そんな農家さんは自身の苺をどんな思いで作られているのでしょう。第3回は、徳島県にある「えいじくんのイチゴ園」で女峰を育てている蔵本英治さんのもとを訪ねました。

昔から愛され続ける
甘酸っぱい苺

蔵本さんの苺は女峰らしい酸味もあり、味がしっかりと濃いと感じます。

徳島県の北部、温暖で雨の少ない吉野川市で苺農園を営む蔵本さん。女峰を栽培している岡山大学農学部の吉田教授のもとで修業し、独立。2019年で開園7年目を迎えます。「品種登録は1985年と、僕より年上。最近の品種の親を辿れば大体が女峰の親戚になりますから、すごい品種ですよね。女峰特有の甘酸っぱさが苺ファンには昔から愛されているし、女峰がいい、というより、お客さんはうちの苺が美味しいからと言って買ってくれます」

女峰は「ザ・王道」と言える品種ですよね。

女峰は小ぶりで苺らしい甘酸っぱさ、中まで赤い果実が特徴。ほどよい酸味が生クリームとの相性抜群で、見た目も美しくスイーツ向きの苺です。メゾン・ド・フルージュではロールケーキやショートケーキに使われています。

えいじくんのイチゴ園 蔵本英治さん

「粒が大きくて甘味の強い苺がトレンドではあるけれど、大きくて甘いことが必ずしも美味しいとは限らないと思います。甘酸っぱさが苺ファンには愛されているし、メゾン・ド・フルージュで美味しそうなスイーツに変身していて嬉しい。」

女峰を育てていて難しさはありますか?

改良されている最近の品種の方が育てやすく、収穫量も多いため、女峰を育てている農家さんは多くありません。加えて地面より高い棚で栽培する高設栽培では水っぽい苺になってしまうこともあります。そんな中、蔵本さんは味が濃く安定した品質の苺を生産しています。
「女峰を育てる難しさは反応が敏感なところ。養分の与え方や水具合など全てですが、手をかけたことに対して3日くらいで顔色がわかります。だから管理は大変。そこに作り手としてのやりがいを感じますね。時期によってどうしても味に変化は出ますが、それをコントロールするのが生産者の仕事。味に差が出過ぎないように努力しています。といってもその時々で美味しいですよ」

一粒で人を笑顔に
できる苺を

苺作りを通して目指していることは?

「うちは市場出荷はしておらず直接販売だけなので、農家というより苺屋。うちの苺が好きと言ってくださるお客さんに向けて、品質を落としてはいけないというプレッシャーは大きいのですが(笑)、『一粒で食べた人を笑顔にする』くらいの苺を提供したいという思いで日々苺作りに励んでいます」

女峰
女峰
栃木県の農業試験場で「はるのか」「ダナー」「麗紅」を親に持ち、1985年に品種登録された。やや小ぶりで整った形と、中まで赤い色づきの良さが特徴。高い糖度としっかりとした酸味があり、見た目と味のバランスに優れている。東日本で広く栽培されていた90年代と比べると生産量が減ったが、現在は香川県で主に作られている。
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